中国の未来 2011 8 21
私は、昨年、中国が「北朝鮮化」するか「先進国化」するか、
分水嶺にあると書きました。
中国は、戦後の日本を徹底的に研究していると聞きましたので、
中国が「北朝鮮化」するか「日本化」するか、
それが問題であると言ってよいでしょう。
第二次世界大戦後、多数党を認めながらも、
自民党の長期にわたる単独政権下で驚異的な経済発展を遂げた日本。
その日本の成功を中国は研究したと思います。
しかし、中国は、北朝鮮のような「先軍政治」になっていくでしょう。
それは、中国共産党指導部が弱体化したからです。
驚異的な貧富の格差。
これはアメリカを超えています。
毛沢東が現代の中国に生まれていたら、
間違いなく「共産主義革命」を起こすほどのレベルになっています。
その上、庶民の生活を苦しめているインフレ。
さらに、日本にまで伝わってくる共産党幹部クラスの腐敗。
こうして人心が中国共産党から離れ、
やがて、どこへ行くのか。
このような情勢では、中国の政治指導者は、
北朝鮮のような「先軍政治」という政策を取らざるを得ないでしょう。
さて、北朝鮮は国力がないから海外に膨張することはできませんでした。
しかし、中国は、巨大な国力があるから、海外に膨張するでしょう。
かつての「元帝国(モンゴル帝国)」のように。
この時は、中国の国境は、中東から東欧まで拡大しました。
こうすることでしか、人民の不満をそらし、
中国共産党の支配を合理化する方法はありません。
もちろん、人民解放軍も一枚岩ではありません。
政治指導者の力が弱ければ、軍管区同士の「戦争」も起きるでしょう。
軍管区の司令官が、中国統一という野望を抱いても不思議はないでしょう。
司令官に政治的な才能があれば、そういうことが可能です。
こうしたことを書くと驚く人も多いと思いますが、
それが、中国4000年の歴史だったのです。
革命によって国が滅び、革命によって国が興る。
それが中国の歴史です。
人民解放軍 2010 10 24
書名 2013年、中国で軍事クーデターが起こる
著者 楊 中美 ビジネス社
まずは、引用から始めましょう(以下、引用)。
ある人民解放軍の中将は、次のように主張している。
「(中国で)拝金主義が横行している。
金(マネー)の力しか信じない民族は愚昧で、立ち遅れた民族だ。
・・・・・政治体制の改革を、早急に断行すべきだ。
これから10年、中国に大きな変化があると信じている。
現在のカリスマ政治は民主的政治へと変わっていくであろう。
・・・・・民主制度に基づいて指導者を選出できなければ、
この国は崩壊の淵から引き返せない」
「中国人民解放軍は進歩的、革新的な武装勢力である。
必要なときには祖国のために勇敢に戦う決意がある」
ある人民解放軍の総政治部の現役少将は、もっと直接的な発言をしている。
「中国でキルギスのような動乱が起きれば、軍は民衆の側に立つ」
(中略)
中国の貧富の格差は凄まじい。
二極分化の程度を表すジニ係数は、諸説あるものの、
中国社会科学院の発表で、0.458〜0.5に上昇している。
0.5とは、警戒が必要な危険水域とされる数値である。
拡大する一方の貧富の格差に、十数億人の労働者、農民は憤り、
改革派の軍人もシビリアンコントロールの則を踏み越える
覚悟を固めているのが実情なのである。
(以上、引用)
その他に、目次から、いくつか取り上げましょう。
「習近平は、特権階級に手出しできない」
「富豪の実態は、太子党」
「共産党の高官自身も、相当な資産家」
「地方政府は、習近平の足元を揺るがす」
「住宅難の元凶は、地方政府の不動産ビジネス」
「地下労組」
「農民による太平天国前夜」
「退役軍人の造反を警戒せよ」